米紙ワシントン・ポストのウィル・ルイス最高経営責任者(CEO)が退任した。同紙が数百人の従業員を削減し、オーナーで資産家のジェフ・ベゾス氏への反発が強まっていた。

7日の発表資料によると、後任には昨年から最高財務責任者(CFO)を務めているジェフ・ドノフリオ氏が、同日付で発行人兼CEO代行に就任する。同氏は元タンブラーCEO。

ベゾス氏は「ワシントン・ポストにはジャーナリズムの重要な使命とたぐいまれな機会がある」とし、「活気ある繁栄の次の段階」に向かっているとの見解を示した。

Photographer: Carlotta Cardana/Bloomberg

ワシントン・ポストは4日、海外特派員や全米各地の記者を含め、全従業員の3分の1を削減した。これに対し、バーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン両上院議員らから非難の声が上がっている。同紙の労働組合ワシントン・ポスト・ギルドは、数百人の組合員が「道理に合わない形で」解雇されたと主張した。

アマゾン・ドット・コムの共同創業者であるベゾス氏は2013年にワシントン・ポストを買収し、必要な投資を通じて事業拡大を進めてきた。しかし近年は、ロサンゼルス・タイムズなど他の主要紙と同様に、広告収入の減少と購読者数の低迷に伴い事業縮小を余儀なくされている。

ジェフ・ドノフリオ氏(2015年)

ワシントン・ポストは23年、主に希望退職を通じて約240人を削減した。同年、ベゾス氏は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)で発行人を務めたルイス氏を、新たな発行人兼CEOに起用した。

24年にベゾス氏が、数十年続く慣例を破って、大統領選で支持する候補の表明を見送る決定を下したことは、社内外で大きな波紋を呼んだ。複数の編集者や記者が退社し、購読者の解約も相次いだ。

ワシントン・ポストのスポーツコラムニスト、バリー・スブルガ氏は、ルイス氏が従業員に送ったとされる、別れのメッセージのスクリーンショットを投稿した。それによると、ルイス氏は自身の指導下で、同紙の持続可能な未来を確保するために「苦渋の決断」が下されたと記している。

メッセージには「皆さん、ワシントン・ポストでの2年間にわたる変革を経て、私が身を引くべき時が来た」とつづられていた。

原題:Washington Post CEO Quits After Cuts That Led to Bezos Backlash(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.