まとめ
本稿では、フィルターバブルをウェルビーイングの観点から再整理し、それに対応する対策を提示した。
留意すべきはフィルターバブル対策が「正しさの押しつけ」になった瞬間に逆効果になり得る点である。
ウェルビーイングの立場からは、目指すべきは同質性の否定ではなく、同質性があっても社会が壊れない「回復可能な対話環境」の構築である。
短期的な快適さを否定するのではなく、快適さが過度に固定化しないよう、個人とシステムの双方に「戻れる設計」を取り入れることが重要になってくるだろう。
加えて、フィルターバブルの影響は、個人のセルフ・ガバナンスだけでも、企業側の自助努力だけでも十分に制御しきれない。
政府・自治体を含む公共部門や、学校教育、研究コミュニティ、メディア等の社会側も、利用者が「選べる/戻れる」環境を実装するための制度整備や、情報リテラシー教育の高度化(「安全な異質性」に基づく対話・前提整理の学習機会の整備等)等を通じて、対話可能性や信頼といったウェルビーイング資源を守ることが求められる。
※情報提供、記事執筆:第一生命経済研究所 総合調査部 副主任研究員 髙宮 咲妃
※なお、記事内の「図表」に関わる文面は、掲載の都合上あらかじめ削除させていただいております。ご了承ください。