新興国各国の株価上昇率
次に2025年に株価が大きく上昇した国について見ていきたい。
下記の国が騰落率上位となった。
コロンビア:コロンビアは97.1%の上昇となった。
背景には、資源高や財政健全化期待による通貨ペソ高と、海外資金の大量流入がある。
中南米ではこのほかチリも+66.7%と大幅高となり、資源価格上昇と新興国全般への投資マネー集中が追い風となった。
韓国:韓国は約+97.0%となった。
サムスン電子やSKハイニックスなど、AI需要による半導体株の大幅な上昇が牽引役である。
ギリシャ:ギリシャは74.6%の上昇となり、欧州では突出したパフォーマンスであった。
大手銀行株が軒並み上昇するなど金融セクター主導で株価が急騰し、ムーディーズ等によるギリシャ国債の投資適格格付け復帰(約13年ぶり)という明るいニュースも追い風となった。
欧州ではスペインも観光需要の回復や政治経済の安定から上昇した。
南アフリカ:南アフリカは+73.0%の上昇となった。
南アフリカは金やプラチナを産出しており、これら貴金属の価格高騰が株価押し上げに寄与した。
また、ランド高により海外投資家から見た投資妙味が増したこと、連立政権による経済改革期待が高まったことも株高の要因である。
このように2025年は、韓国やコロンビアのようなアジア・中南米から、ギリシャのような欧州周縁、南アフリカのようなアフリカ市場まで、幅広い新興国で株価が上昇した。
新興国株式への投資リスクと注意点
新興国株式には高いリターンの可能性がある一方で、先進国株式にはない特有のリスク要因も伴う。
代表的なリスク要素としては、政治・経済の不安定性、株価変動の大きさ、情報収集・分析の難しさとコストといった点が挙げられる。
しかし、これらのリスクを理解し適切な対策を講じることで、ポートフォリオの一部として新興国株を活用する価値は十分にあると考えられる。
むやみに集中投資するのではなく、地域や資産を分散させてリスクを抑制する運用スタンスが重要となる。
例えば、新興国株式だけでなく先進国株式や債券等も含めた国際分散投資を行う、あるいは新興国株式に投資する際に複数国の株式へまとめて分散投資できるインデックスファンドを利用することで、一国の政変や個別企業の破綻による損失リスクを軽減できる。
今後も米ドルの動向や各国の政策に注視しながら、新興国への投資機会を捉えていきたい。
(※情報提供、記事執筆:ニッセイ基礎研究所 金融研究部 准主任研究員・サステナビリティ投資推進室兼任 原田 哲志)
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