2025年は米利下げやドル安、米国株の割高感を背景に新興国株が復調し、5年ぶりに先進国株を上回った。
新興国は割安なバリュエーションと高い成長率見通しが評価され、資金流入が進んだ。
韓国や中南米、欧州周縁、アフリカまで幅広い国が上昇した。
今後の新興国株式の動向に注目したい。
2025年、新興国株が5年ぶりに先進国株を上回る動き
2025年の世界株式市場では、新興国株式の上昇が顕著となり、5年ぶりに先進国株式のパフォーマンスを上回った。
米国の利下げ観測による金利低下やドル安傾向、そして米国株式の割高感が相まって、長く冬の時代が続いた新興国市場に資金が戻り始めたためである。
2025年通年ではMSCI先進国株価指数の上昇率が+19.5%だったのに対し、新興国株価指数は+30.6%の上昇となった。
新興国株式が年間で先進国株式を上回るのは2020年以来となった。
こうした動きは、新興国株式市場の復調の兆しである可能性がある。
新興国株高を支えた主な要因
新興国株の上昇を後押しした背景には、以下のような要因がある。
それぞれについて説明していきたい。
米国株式の割高感と“一極集中”への警戒:近年、米国株式市場は巨大ハイテクや半導体企業への投資資金集中によって大幅な株高となってきた。
しかし2025年末時点でMSCI国別指数の米国の予想PER(株価収益率)は22倍程度と、過去の平均から見ても割高な水準に達している。
こうした割高感への警戒感もあり2025年の米国株の上昇率はMSCI オールカントリーインデックス構成国の中でも下位にとどまった。
日本やドイツ、中国といった主要国や多くの新興国にも劣後しており、米国株式市場は相対的に低迷したともいえる。
米国資産への過度な集中リスクを回避しようとする動きから、従来アンダーウェイト(比率不足)だった新興国株式への見直し買いが進んだ。
新興国株式・通貨の割安さと成長期待:新興国市場はここ数年低迷していたため、バリュエーション面では割安感が際立っていた。
過去10年以上、米国の好景気とドル高を背景に新興国株は低調で、2010年代は年率リターンで先進国株に大きく劣後していた。
その反動もあり、2025年末時点で新興国株は先進国株に比べPERなどの指標から見ても割安となっている。
さらにマクロ経済的にも、先進国がインフレとの闘いで成長が伸び悩む一方、2025〜26年の新興国経済成長率は4%台と、先進国(1%台後半)を大きく上回る見通しと国際機関も予測している。
成長余地の大きさという土台が、新興国株式を再評価させる追い風となった。
米国金利低下とドル安の追い風:2025年、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に3度の利下げを実施し、米政策金利は3.5〜3.75%程度まで低下した。
これに伴うドル安は投資資金の行き先を米国外へ向かわせる傾向があり、新興国市場への資金流入を促した。
ドル安と新興国通貨高の環境下では、新興国各国の中央銀行は自国通貨防衛に神経質になる必要が薄れ、景気刺激のための利下げを行いやすくなる。
その結果、新興国の景気見通しが好転し、株式市場にも追い風となった。
以上のような要因が重なり、2025年の新興国株式は広範囲にわたって上昇した。
この上昇が一時的なものにとどまらず継続していくかが注目される。


