(ブルームバーグ):米銀大手JPモルガン・チェースの経営陣は投資銀行部門に対し、企業の合併・買収(M&A)分野でゴールドマン・サックス・グループなどのライバル行との差を縮めるべく一段の努力を求めた。事情に詳しい関係者が明らかにした。
関係者によると、グローバル・バンキング共同責任者のジョン・シモンズ氏とフィリッポ・ゴリ氏は今月、社内会合で社員に向けてこうしたメッセージを伝えた。両氏は2025年にM&A分野で業績が振るわなかったとし、市場シェア回復のために改善が必要だと強調した。
同会合には、アドバイザリー・M&A部門のグローバル責任者アヌ・アイエンガー氏も出席したという。関係者は部外秘情報だとして、匿名を条件に話した。
JPモルガンの商業・投資銀行部門でグローバル広報責任者を務めるブライアン・マルキオニー氏は、「われわれは毎年のように改善できる領域を見直している」と述べ、「当行のバンカーは欧州と米国で顧客訪問を始めており、2026年の見通しには楽観的だ」とコメントした。
JPモルガンの投資銀行手数料収入は昨年10-12月(第4四半期)に予想に反し減少した。M&A助言業務収入の落ち込みが要因で、一部の案件が2026年にずれ込んだためだと説明した。これに対し、ライバルのゴールドマンとモルガン・スタンレーは同期間の助言収入で大幅な増加を記録した。
JPモルガンの直近の決算発表によると、25年通期の助言業務収入は約35億ドル(約5300億円)と、前年比で約6%増加した。同行は株式・債券の資本市場業務を含む投資銀行業務手数料収入の総額ではウォール街最大手。
世界有数のM&A助言機関として、JPモルガンは常にゴールドマンやモルガン・スタンレーと大型案件の受託を競い合っている。昨年は、米ゲーム大手エレクトロニック・アーツの史上最大規模のレバレッジド・バイアウト(LBO)案件や、メディア・娯楽大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを巡る買収合戦などに関与した。
ブルームバーグの集計データによると、JPモルガンは25年のグローバル助言業務ランキングで3位で、1位はゴールドマンだった。25年はM&A取引総額で過去2番目に大きな年となったが、M&Aを巡る競争は今年さらに激化するとみられている。昨年の大型案件を後押しした条件の多くが今も続いており、一部のバンカーは26年に過去最高を更新する可能性があると見込む。
スイス・ダボスで先週開かれた世界経済フォーラムでゴリ氏は、地政学的緊張が高まる懸念は残るものの、非常に良い年になる兆候が既に出ていると指摘。「昨年に実行されるべき、あるいは実行できたはずの取引が大量に積み残されている」とブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語った。
原題:JPMorgan Tells Its M&A Bankers: Do More to Close the Goldman Gap(抜粋)
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