日本銀行が23日の金融政策決定会合で政策金利の現状維持を決定した後も、外国為替市場の円安傾向は止まらないとストラテジストらはみている。

政策発表後の円相場は対ドルで一時158円74銭まで下落。円安を好感し一時0.7%高と上げ幅を広げた日経平均株価は16日以来の5万4000円台を回復する場面があった。長期国債先物は午後の取引開始直後に28銭安の131円32銭まで下落。ストラテジストら市場関係者の見解をまとめた。

アムンディ・ジャパンの石原宏美株式運用部長

  • 市場は現状の金利水準がインフレ率に対し低過ぎることを示唆している
  • 短期的には円安がさらに進むとみるが、政府による介入もあり得る。円に対する無秩序な売りは想定していないが、短期的な円高も見込んでいない

野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジスト

  • 展望リポートの物価見通しでコア26年度が1.9%にやや上振れ、コアコアも上方修正され、基調的な物価見通しや賃上げに対する見方も強め。4月利上げを意識させたいコミュニケーションを取ってきた
  • 高田創審議委員が据え置きに反対し、追加利上げを提案。直近2回の利上げは反対票が出た1、2回会合後にあった
  • 今回の会合前に7月までの利上げがフルに織り込まれていた。植田和男総裁の会見に向け円安圧力がくすぶる

スカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケンのアジア戦略責任者、ユージニア・ビクトリノ氏

  • 経済見通しは昨年10月に公表されたものより楽観的だ。日銀は貿易の影響による高い不確実性という表現も削除し、これは2026年も日銀が金融引き締めを継続するというわれわれの見方を強めるものだ
  • 植田総裁の会見で引き締めペースの加速を示唆するかどうかは注視したいが、現時点で次の利上げは7月と予想する

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジスト

  • 高田審議委員が利上げを主張したことや基調的な物価が強まりつつあるとの判断を受け、市場は4月の利上げを意識し、長期金利は不安定な値動きを続ける
    • 日銀が判断する基調的な物価の近似値である生鮮食品とエネルギーを除くコアコア消費者物価指数(CPI)が25年度、26年度、27年度とも上方修正
  • 日銀は4月の会合で、春闘の結果や新年度入り後の企業の価格行動、消費減税の実現度合いを判断へ

みなと銀行の苅谷将吾ストラテジスト

  • 展望リポートで、為替の変動が「基調的な物価上昇率に影響する可能性」に留意が必要と記載されているものの、市場でくすぶっていた円安についての言及がなく、円安圧力は変わらない
  • 植田総裁の会見は先週からの発言とさほど変わらず、利上げの前倒しを意識させないものになるだろう
    • 理由としては12月からあまり日がたっていないため、経済の影響が確認できていないほか、衆院解散、市場の不安定など

りそなアセットの下出衛チーフストラテジスト

  • 物価や賃金の見通しなどが強めで、ややタカ派の内容。2年債利回りが上がっていることを踏まえると、市場に4月利上げ説をにじませる結果
    • 植田総裁会見では4月利上げに向けた地ならし的な発言が出てくる可能性
  • 円債市場では日銀のややタカ派なコミュニケーションを純粋に織り込みやすい一方、為替はFOMCも控え、FRBがタカ派姿勢を示すと売られやすいこともあり、投資家は動きにくい
  • 株式市場は選挙という一大イベントがあるほか、企業決算も始まるため、日銀のタカ派トーンで多少ネガティブな影響が出たとしても、そこまで投資家は悲観的に捉えないだろう

--取材協力:Abhishek Vishnoi、日高正裕、深瀬敦子、堤健太郎.

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