高市政権が掲げる日本成長戦略会議、危機管理投資と17の戦略分野とは

1|日本成長戦略会議の枠組み

2025年10月に発足した高市政権のもと、日本政府は、成長戦略の実行、供給構造の強化、危機管理投資の促進を一体的に進めるため日本成長戦略本部を立ち上げた。あわせて、その司令塔として日本成長戦略会議を設置した。

日本成長戦略会議は、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現、分野横断的課題への対応の2本柱を軸に日本の経済成長を進めようとしている。

また当会議では、各課題・各分野に担当大臣が配置されており、会議のメンバーには、政府関係者に加え、エコノミストやAI専門家、経済団体などの民間の有識者も参加している。

2|危機管理投資とは何か?また、その具体領域となる17の戦略分野では何が注目されるのか?

危機管理投資とは、経済安全保障、健康医療安全保障、国土強靭化対策などのさまざまなリスクや社会課題に対し、官民が手を携え先手を打って行う戦略的な投資のことである。

危機管理投資が重視される背景には、地政学リスクの高まりやサプライチェーンの不安定化、先端技術をめぐる国際競争の激化など、日本を取り巻く不確実性の拡大がある。

こうした状況を踏まえ、日本成長戦略会議では成長と経済安全保障の両立を図る観点から、官民で重点的に取り組む17の戦略分野が整理されている。

これらの分野は、単なる産業の列挙ではなく、先端技術、エネルギー、安全保障、産業基盤、社会インフラといった政策上の重要領域を意識して決定されたものと考えられる。

この17の戦略分野のなかで核融合(フュージョンとも呼ばれる)は、とりわけエネルギー安全保障とグリーン・トランスフォーメーション(以下、GX)の双方にまたがる基盤技術と位置づけられている。

長期的なエネルギー供給力の強化に加え、関連する材料・部品・エンジニアリングなどの産業波及効果も期待されており、将来の成長エンジンとして相応の政策的期待が寄せられている。

また、核融合は、フュージョンエネルギー・イノベーション戦略として国家戦略にも位置づけられており、高市総理が科学技術政策担当大臣として同戦略に関与してきた経緯もあり、現在注目されている。

同戦略では、日本が世界に先駆けて2030年代に核融合による発電実証を行い、民間企業も含めた産業エコシステムを構築することが掲げられており、核融合を単なる研究テーマではなく、将来のエネルギー・産業政策の柱候補として育成する方針が明確に打ち出されている。

一方で、核融合への投資は技術的成立や実用化時期に大きな不確実性が伴う長期的な研究開発投資であるため、政策全体の中でどの程度の予算や人的資源を割くかという優先順位付けが、政策上の重要な論点となっている。