(ブルームバーグ):トランプ米大統領のスーパーPAC(政治活動特別委員会)は、2025年後半に1億200万ドル(約160億円)の資金を集めた。人工知能(AI)や暗号資産(仮想通貨)、金融業界の有力者からの巨額献金が原動力となった。今年の重要選挙で議会の支配維持を目指す共和党の取り組みを後押しする狙いだ。
トランプ氏の広範な政治組織のスーパーPAC部門である「MAGA Inc.」では、2025年7月以降の資金調達総額の半分超を3人の献金者が占めた。OpenAIの共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマン氏が2500万ドルを拠出したほか、暗号資産交換業者クリプト・ドット・コムを運営するForis DAXが2000万ドル、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資家のコンスタンティン・ソコロフ氏が1100万ドルを寄付した。
この他、オルタナティブ投資会社ブラックストーンの最高経営責任者(CEO)であるスティーブン・シュワルツマン氏、ベンチャーキャピタリストのアシャ・ジャデジャ氏、ヘルスケア投資家のベンジャミン・ランダ氏から、それぞれ500万ドルの献金があった。
トランプ氏は、憲法上再選が認められていない2期目の大統領としては前例のない勢いで資金集めを続けており、共和党での影響力がなお健在であることを浮き彫りにしている。2024年の大統領選投票日以降、同氏のスーパーPAC、3つの議会指導部PAC、共和党全国委員会(RNC)は、合計で5億ドルを超える資金を調達した。
米連邦選挙委員会(FEC)への最新の届け出によると、トランプ氏のMAGA Inc.の手元資金は2025年12月22日時点で2億9400万ドル。テネシー州の連邦下院第7選挙区の補欠選挙で、共和党のマット・ヴァンエプス氏を支援するために170万ドルを支出し同氏が勝利したことから、報告が義務付けられた。
ヴァンエプス氏は、共和党の牙城である同選挙区で対抗馬のアフティン・ベン民主党候補を約9ポイント差で下した。ただこの差は、7月に議員を辞職した前任のマーク・グリーン元下院議員が2024年の選挙で得た21.5ポイント差に比べ、大幅に縮小している。
同補欠選は全米の注目を集めた。11月に行われた最近の選挙で民主党が勝利を重ねていた流れを受けたもので、生活費の高騰や賃金の伸びを巡る懸念など、トランプ氏の経済政策に対する有権者の不満が浮き彫りになっていた。
トランプ氏による選挙活動資金の積み増しは、接戦が予想される今年の議会選挙に向けて極めて重要となる。現職大統領の所属政党は中間選挙で下院議席を失うのが通例で、共和党は既に下院での優位を辛うじて保っているにすぎない。
原題:Schwarzman, OpenAI’s Brockman Boost $102 Million Trump War Chest(抜粋)
(第5-7段落を追加します)
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