「真夏の入籍」の増加?
つい先日、筆者のもとにある自治体からこんな相談が届いた。
「最近、8月の結婚が増えているようなのですが、どうしてでしょうか?」
厚生労働省の人口動態統計の月別件数を参照して疑問に思った、とのことだった。
早速、その質問が誤解からくるものとなっていないか、データを検証することにした。

8月の結婚が増えている、という質問は、以前に比べて年間でみた8月の入籍割合が増加している、というデータ推移からの解釈のようだった。
担当者が2023年の10.7%を過大評価した可能性もありえるが、確かに1970年代から徐々に8月件数の割合が増加傾向にある。
ただ、100%を12ヵ月で割ると8.3%/月となるため、2015年~現在の8月の8%台をもって、とりわけ多い(多くのカップルが入籍する傾向がある)月であるとは言い切れない。
しかし、ここで新たな疑問が生じてくる。戦後から2010年あたりまで、8月の入籍割合が少ない。特に1970年代~85年までは3%台と低すぎるほどに低い。
ということは、ほかのどの月が8月の割合を低めるぐらいに入籍が多かったのだろうか。