日産自動車は、スポーツタイプ多目的車(SUV)「エクステラ」をミシシッピ州の工場で製造するハイブリッドモデルとして復活させる方針だ。

日産はその一方で、米国で電気自動車(EV)を生産する計画を凍結する。EV需要の後退が背景にある。同社の米州事業を統括するアメリカズマネジメントコミッティのクリスチャン ・ムニエ議長が9月30日のインタビューで明らかにした。

ムニエ氏によれば、同社はミシシッピ州キャントン工場の遊休生産能力を活用し、2028年にエクステラをV6エンジン搭載ハイブリッド車として復活させる。同モデルのインフィニティ高級ブランド製造のほか、フルサイズSUVの「アルマダ」と「インフィニティQX80」のキャントン工場への生産移管も検討している。

日産は収益性の回復を図るため、グローバル規模で大規模な事業縮小を進めているが、重要市場である米国では、トランプ政権の貿易・環境政策に対応し、ガソリン車の生産を増強する計画だ。

同社は米国内のEV需要後退を受け、内燃エンジンを搭載しないフルEVモデルをミシシッピ州で生産する計画を凍結する。連邦政府の補助金終了に伴い、需要はさらに減少する恐れがある。

今年3月段階では、28年にキャントン工場でバッテリーEVモデルの製造を開始する計画が軌道に乗っていると説明していた。

日産は現在、「リーフ」などのEVを日本から米国に輸入しているが、トランプ政権が発動した関税の影響で、輸入台数は減少している。同社は米国でEVを生産する選択肢の検討を続けるが、ムニエ氏は「製造コストの著しい削減か、リスクを分担するパートナーの確保が鍵を握るのではないか」と述べた。

原題:Nissan to Reboot Xterra SUV as a Hybrid, Freezes Plans for US EV(抜粋)

(米国でのEV生産の見通しなど追加して更新します)

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