まるで「ディズニーランド」 観光客向けの“偽り”の漁獲体験も

タラバガニ漁で成功を収めた漁師の一人、エーリング・ハウゲンさんも、この変化の波に乗った一人です。

12年間漁師として生計を立ててきた彼は、最初の5年間は破産寸前の状態が続いていたと語ります。

それでも諦めずに漁を続け、今では共同所有のメインの船を操り、日々タラバガニを獲っています。

カニ漁は、カニの個体数を健全に保つため、漁獲枠が厳しく定められています。

エーリングさんは、脱皮したばかりのカニや、傷のあるカニは海に返すといったルールを守りながら漁を行っています。

しかし、このタラバガニ漁には、光と影の両面があります。

自分でカニを釣ってみたいという観光客に向け、この地域では「キングクラブサファリ」と銘打った観光業が盛んになりました。

しかし、一部では観光客のためにあらかじめ捕獲したカニを待機場所に置いておく、まるで「ディズニーランド」のような偽りの体験を提供していると、エーリングさんは疑念を抱いています。