トピック:長期金利1.6%到達は通過点か?

長期金利(10年国債利回り)は上昇した後に高止まりしている。

7月下旬には一時1.6%台に乗せ、リーマンショック直後にあたる2008年10月以来、約17年ぶりの高水準を記録した。

足元では、先週末に発表された米雇用統計の大幅下方修正を受けてやや低下したが、1.5%付近で高止まりしている。

金利水準も想定を上回って推移していることから、改めて状況を確認し、今後を展望したい。

(日本独自の要因が押し上げ)

まず、今年に入ってからの日米長期金利の動きを確認すると、直近1日時点で日本の長期金利が昨年末比で0.46%上昇しているのに対し、米長期金利は0.35%低下している。

本来、日米の長期金利の連動性は高く、日本の金利上昇は米金利上昇に引っ張られる形で発生することが往々にしてあるのだが、今回はこのパターンには当てはまらない。

つまり、今年に入ってからの長期金利上昇は日本独自の要因によって起きたということになる。