(ブルームバーグ):キリンホールディングス傘下のメルシャンは、フランス産新酒ワイン「ボージョレ・ヌーボー」の販売を今秋から取りやめる。広報担当者によると、消費者の嗜好(しこう)が変化して人気が低迷しているほか、輸送コストの高騰が理由。
1980年代の世界的ブームが下火になった後も、日本では根強い人気があった。2021年までは日本が最大の輸入国で、約360万本を輸入していた。2番目に多い米国の2倍以上の規模だった。試飲イベントが各地で開かれ、箱根の温浴施設では11月に、ボージョレ・ヌーボー風呂を楽しめるイベントを開いていた。
ただ輸入量は年々減少。サントリーの推計によると、24年の輸入本数は、04年のピーク時(約1200万本)を大きく下回る水準まで落ち込んだ。販売経路を絞る動きも表面化。アサヒグループホールディングスは昨年、高級ワイン専門子会社「エノテカ」に販売ルートを限定した。一方、サントリーは今年も販売を継続する方針だ。
キリンは今後、一部のグループ会社を通じてボージョレ・ヌーボーの販売を続ける見通しで、「今後もお客様のワインの選び方や楽しみ方の多様化は進むと考えている」と広報担当者は話した。
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