アヌティン・チャーンウィーラクン氏が7日、タイの新首相に就任した。バンコクでこの日行われた式典で、ワチラロンコン国王が正式に承認した。

ペートンタン前首相の失職を受け、下院は5日の投票で野党第2党「タイの誇り党」の党首であるアヌティン氏を新首相に選出していた。

アヌティン・チャーンウィーラクン氏(9月7日)

アヌティン氏(58)は2023年以降で3人目の首相。議会最大勢力の国民党の外部協力を受けながら連立政権を率いることになる。すでに主要閣僚にはテクノクラートを指名しており、財務相にはベテラン官僚のEkniti Nitithanprapas氏を起用する意向を示している。

新政権は生活費の高騰や家計債務の増加といった経済問題の解決に重点を置くと、アヌティン氏は国民向けテレビ演説で語った。また、カンボジアとの国境紛争については、さらなる犠牲者を出さず、国家の主権を守りながら平和的な解決を図ると表明した。

「この連立政権の成り立ちに伴う制約や合意により、任期は限られているが、信頼と期待を寄せてほしい」と呼びかけ、「この偉大な国の人々の問題を解決し、現在の危機から国を導き出すため」全力を尽くすと誓った。

新首相は、国民党の支持と引き換えに、就任から4カ月以内に総選挙実施を表明し、憲法改正に向けた手続きを開始することを公約している。

アヌティン新首相は不安定な連立政権を維持し、タイを危機から導き出せるか

タイの憲法裁判所は8月29日、ペートンタン氏が倫理規定に違反したとして解職を命じた。国境紛争を巡りカンボジアのフン・セン前首相と行った電話会談で、憲法で定められた倫理基準条項に違反したと判断した。

原題:Thailand’s New Leader Takes Office After King’s Endorsement (1)(抜粋)

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