石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスの主要国は、5月の生産引き上げを抑制した。OPECプラスで主導的な役割を担うサウジアラビアが他のメンバー国に対し、過去の過剰生産分を調整するよう求めたことが背景にある。

OPEC事務局によると、OPECプラスのうち現行の合意に加わった8カ国の5月の産油量は前月比で日量15万4000バレル増にとどまった。発表された生産引き上げは同41万1000バレルだった。イラクやアラブ首長国連邦(UAE)、ロシアなどが過去の生産超過分を相殺するため、同月の生産を抑えた。

だが、4月の生産計画の数字との対比では、8カ国の5月の産油量は約40万バレル増となる。カザフスタンは生産割り当てを引き続き大きく上回った。

OPECプラスのリーダー役を務めるサウジアラビアは、約束を上回る生産を続けて価格を押し下げたメンバー国を罰し、数年にわたる供給抑制でサウジが失った市場シェアを回復しようと、OPECプラス全体での生産引き上げ加速を働き掛けている。

この動きは原油価格を一時押し下げたが、イスラエルがOPEC加盟国のイランを攻撃したことから、原油価格は過去数日に急伸。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は13日の取引でほぼ3年ぶりの大幅上昇となった。

OPECのガイス事務局長は、今のところイランの原油輸出に影響は出ていないとして、OPECが速やかに措置を講じる必要はないとの見解を示している。

生産調整  

OPEC調査部は16日発表した月報で、加盟国は合意した生産引き上げにさまざまなアプローチをとっていると指摘。

サウジは5月の生産引き上げをほぼ計画通り進め、日量918万3000バレルと、前月比で同17万7000バレル増やした。

これまで割り当てを上回る生産を続けていたカザフスタンとイラクは、いずれも生産を減らした。それでもカザフスタンはいまだ同国の生産割り当てを数十万バレル上回っており、サウジとの対立の火種が依然残る。ロシアの生産は横ばいで、生産調整の公約を果たした。

OPECプラスは7月6日にビデオ形式で月次の会合を開き、8月にも生産引き上げを継続するか検討する。事情に詳しい関係者が6月初めに語ったところによると、サウジは可及的速やかに市場シェアを取り戻したい考えで、再度の大幅な生産引き上げを推進している。

原題:OPEC Says Output Hike Tempered by Compensation From Quota Cheats(抜粋)

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