(ブルームバーグ):仏ケリングは16日、経営難が続く傘下ブランド「グッチ」の立て直しを託すべく、仏自動車メーカー・ルノーの再建を主導したルカ・デメオ氏(58)を次期最高経営責任者(CEO)に任命すると発表した。
発表によると、ケリングは現在フランソワ・ピノー氏(63)が兼務しているCEOと会長職を分離し、デメオ氏が9月中旬にCEO職を引き継ぐ。ピノー氏は今後も、創業家一族が支配権を持つケリングの会長として残る。
発表文でピノー氏は「デメオ氏の経験とブランドに対する鋭い洞察力は、ケリングを導くのに最適な資質だ」と強調した。
トップ交代の報道を受け、ケリングの株価は16日のパリ市場で12%高と、2008年12月以来最大の日中上昇率を記録した。一方、ルノーの株価は8.7%下落し、2022年3月以来の大幅な下げとなった。
デメオ氏の在任中、ルノーの時価総額は約2倍に増加した。ラグジュアリー業界が、米国による関税の脅威や中国での需要低迷という厳しい局面にある中、デメオ氏はケリングのかじ取りに挑むことになる。
ピノー氏は、過去20年にわたりケリングの経営を率いてきた。父親のフランソワ・ピノー氏が築き上げたケリングは、世界有数の高級ブランドグループの一角を占める存在だが、近年ではLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンやエルメスといった競合に後れを取り、勢いを失っている。主力のグッチは、中国市場で苦戦が続いている。
グッチの業績悪化が響き、ケリングの株価は2021年8月の過去最高値から約80%下落している。グッチはケリングの利益のほぼ3分の2を占めており、同社は新たなデザイナーを起用するなど立て直しを図ってきたが、今のところ成果は出ていない。
デメオ氏は、フィアットやフォルクスワーゲンを経て、過去5年間にわたりルノーのCEOを務めてきた。ルノーでは、米テック大手クアルコムやファッションブランド「アニエスベー」との提携するなど、異業種との連携にも積極的に取り組んだ。
原題:Gucci Owner Taps Renault’s De Meo as CEO for Turnaround Mission(抜粋)
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