フランスの高級ブランド、シャネルを所有するヴェルタイマー家が、最近の決算内容を受けて配当を受け取らない可能性が出てきた。ラグジュアリー業界の不振が、世界有数の富豪一族に影響を及ぼしている。

提出書類によると、シャネルは2024年の業績に関連して中間配当を支給せず、期末配当の提案も控えた。配当見送りは新型コロナウイルスが流行した20年以来初めて。24年決算では、中国市場での販売不振に加え、マーケティングや不動産への支出がかさみ、利益が30%減少した。

シャネルの広報担当者は「25年に支払われる配当については、取締役会が数カ月以内に決定する」と述べた。

その前の3年間は、「シャネル」の香水やキルティングのフラップバッグ、ツイードスーツの販売が好調で、ヴェルタイマー家は総額124億ドル(約1兆7800億円)の配当を得ていた。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、これによりアラン氏(76)とジェラード氏(74)兄弟が所有する資産は計850億ドルに膨らんだ。

ヴェルタイマー家は、コロナ禍後の消費ブームで資産を積み上げたが、その後に資産が減少したフランスの超富裕層の一例だ。

原題:Chanel Billionaire Owners Set to Forgo Payout Amid Luxury Slump(抜粋)

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