スウェーデンのフィンテック企業クラーナ・グループの株価は10日、米上場初日の取引で15%上昇した。同社による13億7000万ドル(約2020億円)規模の新規株式公開(IPO)は、米IPO市場の伸び余地を示している。

クラーナ株は10日に一時43%上昇し、45.82ドルで取引を終えた。9日に設定されたIPO価格は40ドルで、仮条件レンジを上回った。IPOへの応募倍率は2桁に達し、申し込みを行った投資家の約半数が割り当てを受けられなかった。

終値に基づく時価総額は170億ドルを超えた。ストックオプションやワラント(新株引受権)を含めるとより大きくなるものの、2021年の資金調達ラウンドで記録した456億ドルからは大幅に下がっている。当時は、新型コロナ禍でネット通販ブームだった。

一方、22年の資金調達時、インフレや金利上昇で世界中のフィンテックの事業モデルに圧力が加わる中でクラーナの評価額は67億ドルに落ち込んでいだ。

セバスチャン・シーミアトコウスキー最高経営責任者(CEO)にとって今回のIPOは、同社の事業が原点のBNPL(後払い決済)の枠を超えて進化したことを裏付けるものとなる。

「投資家からBNPLに関する質問がほとんどなくなったのは、クラーナのメッセージと成功が伝わった証しで非常に喜ばしい」と同氏はインタビューで語った。

原題:Klarna Climbs 15% in Trading Debut After $1.37 Billion IPO (1)(抜粋)

--取材協力:Caroline Hyde、Edward Ludlow.

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