(ブルームバーグ):円相場は来週も上昇基調が続く可能性が高い。日米通商協議で円安是正を求められることへの警戒感が根強い。国内の超長期金利の上昇は円買い・ドル売り材料との見方があり、金利動向も注目される。
◎みなと銀行の苅谷将吾ストラテジスト
- 予想レンジは1ドル=140-145円。ドルの上値は145円でかなり重い印象だ
- 米国と韓国の間で通貨問題が協議されたとの報道があり、日米財務相会談で本当に円安是正が要請されなかったのか、為替市場参加者は疑心暗鬼になっている
- 赤沢亮正経済再生担当相が23日に続いて30日を軸に再訪米し、ベッセント米財務長官と協議するとの報道もあり、円安是正が議題になることへの警戒感は消えていない
- 米国資産売りは一服したが、米国と各国との関税交渉に進展がないとドルがもう一段上昇するのは難しい
◎三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト
- 予想レンジは141-146円。ドル・円の上値は重いものの、4月中旬の安値(139円89銭)までは下げないだろう
- 米国の超長期金利が低下してドルはいったん戻したが、引き続き米財政への懸念から金利上昇に警戒感が残る
- 日本の超長期金利上昇は今のところ円買い材料視されている。ただ、円の信認の高さから買われているわけではないため、国内金利上昇が止まらなければいずれ円売りに転じるリスクにも一定の警戒が必要
来週の主な予定
- 26日:米休場(メモリアルデー)、英休場(バンクホリデー)
- 27日:日本銀行金融研究所主催の国際コンファランスで植田総裁が開会あいさつ
- 28日:日銀の国際コンファランスで氷見野副総裁とニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が対談
- 28日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(5月6、7日開催分)を公表
- 30日:5月の東京都区部消費者物価指数(CPI)
- 30日:4月の米個人消費支出(PCE)価格指数
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