(ブルームバーグ):ニューヨーク連銀で連邦準備制度の公開市場操作口座を管理するロベルト・ペルリ氏は22日、金融当局によるバランスシート縮小がレポ市場に圧力をかけ始めているとの認識を示した。
ペルリ氏はニューヨーク連銀とコロンビア大学国際公共政策大学院が共催したイベントで、こうした圧力により連邦準備制度の短期金利操作手段の重要性が一段と高まると指摘した。

準備原稿によれば、連邦準備制度のバランスシートが縮小を続け、準備預金残高が潤沢な状態から十分な水準に移行する中で、短期金融市場で金利上昇圧力が強まる可能性が高い。
ペルリ氏は短期金融市場の金利動向について「流動性状況の正常化を反映しており、懸念すべき状況ではない」としながらも、「将来的には、常設レポファシリティー(SRF)が金利操作の手段としてこれまでより重要になる可能性がある」と述べた。
連邦準備制度は2022年6月にバランスシート圧縮、いわゆる量的引き締め(QT)を開始。今年4月から米国債のランオフ(保有債券の償還金を再投資しないことによる保有残高の減少)ペースの上限を月50億ドル(約7200億円)と、従来の250億ドルから引き下げた。一方、住宅ローン担保証券(MBS)の月間上限は350億ドルに据え置いた。
金融当局や投資家は、QT停止時期を見極めるため、準備預金の水準に注目している。準備預金が増加すれば金融システムの流動性が向上し、連邦準備制度はQTをより長期間続けやすくなる。
連邦準備制度の最新データによると、準備預金残高は14日までの1週間で3兆2400億ドルとなり、前週の3兆ドルから増加した。これは、QTが開始された約3年前の水準をやや下回る。ウォール街のストラテジストは、十分な流動性を維持し市場混乱を回避するには、準備預金残高が3兆-3兆2500億ドル以上に維持される必要があると試算している。
原題:NY Fed’s Perli Sees Early Signs of Pressure in Money Markets(抜粋)
--取材協力:Maria Eloisa Capurro.
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