加藤勝信財務相は20日の閣議後会見で、今週カナダで開かれる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の場で、ベッセント米財務長官との2国間協議を調整しているとの考えを改めて示した。為替など諸課題について議論するという。

すでに両財務相の間では、為替レートが市場で決定されることや過度な変動が経済に対して悪影響を与え得るとの原則が確認されており、今回の協議でも「それをベースに引き続き議論がなされていく」との見通しを示した。

米国の関税措置が発動されて以降、日本を含む各国は対米交渉を進めている。これまでの日米関税交渉で為替が話題に上ったことはないが、トランプ米大統領が改めてドル高是正を迫る可能性がくすぶる中、日米財務相による為替協議は市場の注目を集めている。

東京外国為替市場では、加藤財務相が日米協議について発言後、対ドルで一時1ドル=144円73銭まで上昇した。会見開始時は145円台前半で推移していた。

一方、米格付け会社ムーディーズ・レーティングスによる米国の信用格付けの引き下げを巡っては、金融市場への影響を「しっかり今後見ていくということに尽きる」とした。格下げそのものについては「政府としてコメントするのは差し控える」と述べた。

ムーディーズは16日、米国の財政赤字が縮小する兆しがほとんど見られないとし、同国の長期発行体格付けと無担保優先債格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラス)」に1段階引き下げた。

米30年国債利回りはアジア時間19日の取引で心理的節目の5%に到達した。

(加藤財務相の発言の詳細などを加え、更新します)

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