10日の東京株式相場は反発。年内の利下げ観測の高まりから米国株が上昇した流れを引き継いでいる。ハイテク株のほか、日本銀行が年内利上げの可能性を排除しないとの報道を受けて銀行株が買われている。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、前日の米国株が堅調だったことを受け、きょうは景気循環株に資金が流入していると指摘した。

ソフトバンクグループがTOPIX上昇に最も寄与している。米ハイテク株高を追い風に、アドバンテストやフジクラを含む人工知能(AI)関連の一角が高い。米国ではオラクルが第1四半期の大幅な受注増を明らかにし、アップルはスマートフォンの新モデル「iPhone 17」シリーズを発表した。

オルタス・アドバイザーズのアンドリュー・ジャクソン日本株戦略責任者は、オラクル株の上昇とアップルの発表が「日本の半導体製造装置メーカーや電線関連銘柄に非常に強気な地合いを作り出している」と述べた。

銀行株も買われ、TOPIX銀行業指数は一時1.7%上昇した。石破茂首相の退陣表明を受けて国内政治情勢が混乱する中でも、日銀は年内利上げの可能性を排除しないことが分かった。

個別銘柄では、アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントが株式を取得したとの報道を受け、関西電力が急伸した。

インサイト

  • 東証33業種中19業種が上昇、非鉄金属が上昇率トップ、輸送用機器が下落率トップ
  • MSCIアジア太平洋指数は0.6%高
--取材協力:堤健太郎.

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