(ブルームバーグ):豊田自動織機の株価が20日、トヨタ自動車などによる株式公開買い付け(TOB)を受け入れる方針であるとの報道を受け、最高値を更新した。
豊田織の株価は午前の取引で一時前日比9%高の1万8000円とブルームバーグに記録が残る1974年9月11日以来の日中高値を付けた。トヨタの株価も同2.4%高の2727.5円となった。
共同通信は19日夕、豊田織がトヨタグループによる買収提案を受け入れる方針だと情報源を示さずに報じた。5、6月にも公表する方向で調整しているという。買収資金の確保に一定のめどが付いたもようだとも報じた。
オルタス・アドバイザーズのアンドリュー・ジャクソン日本株戦略責任者は、TOB資金を調達するためにトヨタが株式を売り出す可能性が意識されていたが、銀行から最大3兆円程度の借り入れを実施する方向と報道されたことでトヨタ株にも上値余地が出るとの見方を示した。
今回の報道について、豊田織の広報担当者は同社が発表したものではないと述べた。26日に公表したコメント以上に言えることはなく、開示すべき事項が発生した場合は速やかに開示するとした。同社は先月26日には、資本効率の向上や特別目的会社を通じた非公開化などの提案を受けており、企業価値向上のためあらゆる可能性を検討しているが現時点で何ら決定された事項はないとしていた。
トヨタの広報担当者も同案件についてはこれまでに公表したコメント以上に言えることはないとした。先月26日付の声明では、豊田織の非公開化を巡り一部出資を含めさまざまな可能性を検討しているとした上で、保有するトヨタグループ各社の株式については常に最適なあり方を検討しているが、現時点で決定した事実はないなどとしていた。
(詳細を追加して更新します)
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