今週開催される主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で為替政策に関する文言は変更されない可能性が極めて高いが、「微調整が加えられれば市場を刺激し、ドルに打撃となる可能性がある」とINGの為替戦略責任者、クリス・ターナー氏は指摘した。

「可能性は低いが、影響は極めて大きいイベント」だとターナー氏は電子メールのリポートで分析。「ドルにもう一段の強い下落圧力がかかる可能性がある。特に対ユーロや円で顕著に表れるだろう。ユーロ圏や日本がG7内で大きな比重を占め、ユーロや円はドルに代わる流動性の高い選択肢として機能するからだ」と続けた。

「過去には、特に1990年代や2000年代において、こうした共同声明は為替政策の転換を示す重要な手段だった」と同氏は説明。

その上で、「米財務省がG7の他国に対して為替に関する文言の修正を働きかけ、ドルに対して他通貨が秩序立って上昇するよう促す可能性はあるだろうか。あるいは、通貨が対外収支とより整合的に動くことが期待されるといった表現に変更される可能性はあるだろうか」と問いかけた。

「恐らく、こうした変更に欧州中央銀行(ECB)やユーロ圏の財務相らが同意するのは難しいだろう。ユーロ高・ドル安の大幅進行を避けたいという思惑があるからだ。そうなれば、貿易面での課題を悪化させかねない」と記述した。

「現在米国が最大で20カ国との貿易協定締結を目指していることは周知の事実だ。その交渉においてどの程度の圧力や交渉力が行使されているのかについては、ほとんど明らかになっていない」とも記した。

原題:Any G7 Language Tweaks Could Be Bearish For Dollar: ING’s Turner(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.