4月の米株式市場は大揺れとなったが、ビットコイン価格の急伸を背景に暗号資産(仮想通貨)関連株は軒並み上昇し、無傷で乗り切った。

S&P500種株価指数が月間で0.8%下落したのに対し、ビットコインへの積極投資で知られるストラテジー(旧マイクロストラテジー)や暗号資産交換業者コインベース・グローバル、マイニング企業のクリーンスパークはいずれも株価が2桁の伸びを記録。これら銘柄は通常連動性の高いテクノロジー株のパフォーマンスを上回った。

ビットコインは4月に約15%上昇。投資家にとってビットコインが「安全資産」たり得るかという議論が再燃した。ビットコイン関連銘柄は通常、ビットコイン自体よりも価格変動が大きく、上昇局面ではより大幅に値上がりする傾向がある。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)のアナリスト、ビル・パパナスタシウ氏はビットコインへのエクスポージャーを持つ企業の株価を押し上げているのは明らかにビットコインのスポット価格だと指摘。「多くのマイニング企業も関税を巡る混乱時にかなりの打撃を受けたが、今は回復している」と述べた。

ただ、留意すべき点もある。多くの暗号資産関連株は、1-3月(第1四半期)にビットコインが下落した影響で、年初来ではなおマイナス圏にある。特にマイニング企業はトークン採掘の収益性低下に加え、ハードウエアのコストが関税によって押し上げられる恐れがある。

 

原題:Crypto Stocks Emerge Unscathed From April’s Market Turmoil (1)(抜粋)

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