(ブルームバーグ):米アップルの投資判断が11日、2社により引き下げられた。同社に対する慎重姿勢が強まっていることを示す最新の兆候だ。アップルは今年、大型テクノロジー株の中で大きく出遅れている。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、今回の引き下げにより、アップルのコンセンサスレーティング(買い、ホールド、売りの投資評価の比率を示す指標)は3.9(最高は5)に下がり、2020年初め以来の低水準となった。ブルームバーグが追跡するアナリストのうち「買い」を推奨する比率は55%にとどまり、大型株の中では極めて低い。エヌビディア、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムはいずれも90%超となっている。

DAデビッドソンは、アップル株の投資判断をそれまでの「買い」から「中立」に引き下げた。今週発表された新製品は、人工知能(AI)分野での同社の立ち位置を巡る懸念を和らげられなかった。
アナリストのギル・ルリア氏はリポートで、「当初はアップルがAIエコシステムで果たす役割や大型アップグレードサイクルの可能性に期待していたが、いずれも近い将来には実現しない可能性が高いことが明らかになった」と記した。
同氏また、薄型の「iPhone」を含む新製品について「心を動かされなかった」とし、「現行製品の再定義か魅力的な新製品の開発が必要であり、現状のままでは成長は今後も抑制されるだろう」と指摘した。
アップル株は年初来では低調な動きだが、関税の影響に対する懸念が和らぐ中、4月の安値からは30%余り回復している。
フィリップ・セキュリティーズのアナリスト、ヘレナ・ワン氏によれば、この回復がアップル株の投資判断を「中立」から「リデュース」(「売り」に相当)に引き下げた理由だという。同氏は、「慎重な見通し」を維持しているとし、要因の一つとして「製品の弱さと中国市場での低迷を補うだけのAI分野での顕著な革新が見られない」ことを挙げた。
原題:Apple Analyst Sentiment Hits Five-Year Low After Two Downgrades(抜粋)
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