農林水産省が近く公表する向こう1年のコメの需給見通しの原案が分かりました。今年の新米の生産量は、需要量を10万トンから40万トン程度上回り、民間の在庫も大幅に回復するとの試算になっています。

農水省は毎年コメの需給見通しを公表してきましたが、特におととしや去年は見通しを大きく外したことで、コメ不足や価格高騰を招いたとの指摘を受けていました。そのため、今回は算出方法を見直した上で、幅を持たせた形で公表する予定です。

関係者によりますと、今年7月から来年6月までの1年間の需給見通しの原案では、生産量は玄米ベースで、▼728万トンから745万トンと、去年より50万トンから70万トン程度増えると推計しているということです。

一方、需要量は玄米ベースで、▼697万トンから711万トンと見込んでいて、生産量が需要量を上回るとの見通しを示す方向です。

また、玄米での試算だけでなく、精米したあとの推計も今回初めて公表する予定で、生産量は、▼645万トンから668万トン需要量が、▼624万トンから631万トンと、こちらも需要量を上回る生産量になる見通しです。

備蓄米の放出による供給の増加もあわせると、来年6月末時点での民間のコメの在庫量は198万トンから229万トン程度になると試算。2015年以来の高い水準まで在庫が回復するとの見方を示す予定です。

新米をめぐっては、今年もコメが不足するとの懸念から業者による集荷競争が起きていますが、政府はこの試算を来週にも公表した上でコメ不足にはならないとアピールし、価格の沈静化を図りたい考えです。