米国のビール市場では、ヒスパニック系消費者による支出の抑制が、全体の販売減の主要な要因として浮かび上がっている。この消費者層への依存度が高いブランドにとっては特に大きな打撃となりそうだ。

調査会社バンプ・ウィリアムズ・コンサルティングのデータによると、米国で売れているビール上位25ブランドのうち、今年成長しているのはわずか8ブランドにとどまる。業界の専門家らは、これまでビール市場の成長を支えてきたのはヒスパニック系消費者だと指摘する。しかし、同消費者層における経済的圧迫や移民問題を巡る不安、消費習慣の変化が、販売に悪影響を及ぼしつつある。

同社の最高経営責任者(CEO)を務めるウィリアムズ氏はリポートで「移民・税関捜査局(ICE)による摘発や強制送還の脅威がある中、ヒスパニック系消費者は買い物に出かけること自体をためらっている」と指摘した。

同社がヒスパニック系の200世帯を対象に最近行った調査でもそうした傾向は示されており、蒸留酒やノンアルコール飲料との競争が激化するビール市場にはさらなる圧力となっている。

ウィリアムズ氏は「ヒスパニック系の消費者が店に足を運ばなくなれば、業界全体に打撃が及ぶことになる」と語った。

バーンスタインのアナリストによると、ビール、フレーバー付き麦芽飲料、りんご酒(サイダー)の出荷量は、4月中旬までの12週間で前年同期比4.6%減少した。3月初旬時点の3.3%減を上回る落ち込みとなっている。今年のイースター休暇の時期が例年より遅いことが影響している可能性もあるが、アナリストらは、すでに全体的に減少傾向が強まっていたと指摘している。

店頭で売られるコロナとモデロのビール

バーンスタインのリポ-トによれば、「ミラー・ライト」などを抱えるモルソン・クアーズ・ビバレッジの販売量は7%減少。アンハイザー・ブッシュ・インベブの販売量は市場全体と同等の4.6%減となったが、「バドライト」は10%減という大幅な落ち込みを記録した。

「コロナ」と「モデロ」を米国で販売するコンステレーション・ブランズは先週、ヒスパニック系人口の多い州でビールの販売が伸び悩んでいると明らかにした。

同社のビル・ニューランズCEOは、「モデロ」愛飲者の多くはヒスパニック系だとし、外食など社交的な機会の減少が同ブランドの販売動向に影響を与えていると説明した。

原題:Trump Policies Spark Beer Sales Decline Among Hispanic Consumers(抜粋)

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