分析結果

1|早食いの人は、太っている人が多い

まず、1つ目のデータセットにおいて、単年度(2015年度)のデータを使って、食べる速さ別のBMIの分布と平均BMI、食べる速さ別の肥満の割合を示す。

男女とも食べる速さが「速い」とBMIが高い水準で分布しており、「速い」のBMIの平均は、男性で24.2、女性で22.2と、「ふつう」のBMIの平均(男性、女性の順に23.2、21.5)と比べて男性は1.0、女性は0.7高い。また、「遅い」のBMIの平均(同22.3、20.8)は、「ふつう」のBMIの平均と比べて男性は0.9、女性は0.7低い。BMIが25以上の「肥満」の割合は、全体では男性で29.2%、女性で15.3%であるのに対し、食べるのが「速い」では男性で36.9%、女性で19.7%と高く、食べるのが「遅い」では男性で17.2%、女性で10.7%と低い。

2|早食いだった人は、太ることが多い

続いて、2015年度と2019年度のデータを使って、2015年度の食べる速さ別に2019年度の肥満の割合を示す。男女とも就労年代においては、年齢が高い方がBMIが高くなる傾向があるため、男女とも、食べる速さにかかわらず4年後の方が、肥満である割合は高くなっている。

そこで、2015年度に、BMI が「普通体重」であり、かつ、血糖、血圧、コレステロールの服薬がなかった人に限定して、2015年(1年目)の食べる速さ別に、2019年(4年後)の肥満である割合をみると、早食いだった人は、やはり肥満である割合が高い。すなわち、問診を回答した時点で肥満でもなく服薬をしていない人であっても、早食いの人は4年後には肥満となっている可能性が高いと考えられる。