(ブルームバーグ):高度な専門知識を持つ外国人を米企業が雇用するためのH-1Bビザをめぐり、複数の州がトランプ政権を提訴すると発表した。新規申請の手数料を10万ドル(約1560万円)に引き上げる計画の差し止めを、裁判所に求めている。
12日に提出される訴状によれば、この高額手数料は雇い主の負担を高め、違法な障壁を生むと主張。特に公共部門で顕著な影響が見込まれるという。さらに10万ドルという金額の設定は恣意(しい)的であり、議会に定められた手数料設定の権限を超えているとも主張している。カリフォルニア州のボンタ司法長官とマサチューセッツ州のキャンベル司法長官が、原告団を率いた。

カリフォルニア州のボンタ司法長官は記者会見で「連邦議会がこれまで一度も行ってこなかったのは、プログラム自体の解体を目的とした6桁の上乗せ料金賦課を大統領に認めることだ」と発言。「要するに、いかなる政権も移民法を書き換えることはできない」と述べた。
9月にトランプ氏が手数料引き上げを発表して以来、これに抗議する訴訟は少なくとも3件目にあたるが、州が提起した訴訟としてはこれが初めてとなる。10月には米国商工会議所が提訴したほか、また世界的な看護士派遣会社と複数の労働組合も訴訟を起こしている。いずれの訴訟も現在継続中である。 several unions. Both cases are ongoing.
ホワイトハウスのロジャーズ報道官は手数料引き上げは合法だとして、政府の方針を擁護。「H-1Bプログラムに必要な改革を段階的に進めるための最初の一歩」だ述べた。
H-1Bビザプログラムは雇用に基づく移民制度の中核をなし、米企業に大学卒の外国人労働者を専門職として雇用することを可能にする。トランプ氏は9月、この制度の見直しを発表し、H-1Bビザの乱用が米国人労働者から職を奪っていると主張した。
H-1Bビザは抽選制度で付与されるが、ハイテク業界で主に使用されている。米政府によると、発給件数が特に多い企業にはアマゾン・ドット・コムやタタ・コンサルタンシー・サービシズ、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップルが含まれる。

カリフォルニア、マサチューセッツ両州のほかにもニューヨーク、アリゾナ、コロラド、コネティカット、デラウェア、ハワイ、イリノイ、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ノースカロライナ、ニュージャージー、オレゴン、ロードアイランド、バーモント、ワシントン、ウィスコンシン各州が原告に加わった。
原題:States to Sue Over Trump’s $100,000 H-1B Application Fee (2)(抜粋)
--取材協力:Jennifer A Dlouhy.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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