米国では与信状況の引き締まりにより、ローン申請が却下されるとみて申請を控える消費者の割合が増えている。米ニューヨーク連銀の調査で明らかになった。

ニューヨーク連銀が発表した2月の消費者信用アクセス調査によれば、却下を見込んでローン申請を控えていると回答した消費者の割合は8.5%と、2013年の調査開始以来最高となった。

ローン申請が却下されると予想する消費者の割合は住宅・自動車購入のための担保付きローンからカードローンまでさまざまなカテゴリーで増えており、自動車ローンの場合は約3分の1と、これも調査開始以来最も高かった。1年後にはローンを利用するのがより難しくなるとの回答は50%近くに上った。

この調査結果は、米国の多くの家計が一段と脆弱(ぜいじゃく)になっていることをあらためて裏付けた。米国では労働市場の冷え込みで賃金の伸びが鈍る一方、高い借り入れコストで返済が困難になっている。消費者の延滞率は新型コロナウイルス禍前の基準ではなお低水準にあるが、ほとんどのカテゴリーで徐々に上昇しており、貸し手は慎重になっている。

このほか調査によると、住宅ローンの借り換えを試みた住宅所有者の40%強が申請を却下された。これは23年10月の4倍に相当する。

住宅ローン金利は数年前よりもなおかなり高い水準にあるため、借り換えを希望する多くの人は毎月の支払額を減らすためではなく、他の債務を支払うか出費を賄うために、最近の住宅ブーム期に蓄積されたホームエクイティーを利用しようとしている公算が大きい。それができない場合、一部の人は自宅を売却せざるを得なくなる可能性がある。

また調査では、予定外に2000ドル(約30万円)が必要になった場合に工面できると回答した消費者は63%と、過去最低を更新した。

原題:Americans See Growing Risk They’ll Get Turned Down for Loans(抜粋)

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