・韓国政府が2月26日に公表した統計資料によると、韓国の2024年(暫定)の出生率は0.75となり、2023年の0.72を上回った
・全出生児のうち第2子が占める割合も上昇している
・韓国の出生率が改善された理由としては、婚姻件数が増加したこと、韓国政府が少子化対策、特に経済的支援やワーク・ライフ・バランスを支援する政策を拡大したこと、企業や宗教団体が少子化対策を拡大したこと等が考えられる
韓国の出生率が0.75に改善
2015年以降2023年まで8年連続低下し続けていた韓国の合計特殊出生率(以下、出生率)が2024年には9年ぶりに上昇する見込みだ。韓国政府が2月26日に公表した統計資料によると、韓国の2024年(暫定)の出生率は0.75となり、2023年の0.72を上回った。2024年に生まれた子どもの数も23万8300人で、2023年より8,300人増加(前年比3.6%増)すると推計された。

韓国の出生率が改善された理由は?
なぜ韓国の出生率は改善されたのか。最初にその理由として考えられるのは、2012年以降減少していた婚姻件数が、2023年に増加へと転じたことである。
韓国における婚姻件数は、1996年に434,911件でピークに達した以降、減少傾向に変わり、新型コロナウイルスの感染が拡大された2021年には192,507件で初めて20万件を下回った。さらに、2022年の婚姻件数は191,690件まで減少し、19万人を切ることが懸念されたが、幸いに2023年の婚姻件数は2022年より1,967件増加した。

それを年齢階層別に見ると、男女ともに「20~24歳」と「25~29歳」の婚姻件数は前年と比べて減少したものの、30代以降の婚姻件数は増加した(ただし、女性の「45~49歳」は減少)。

さらに、新型コロナウイルスの感染拡大以降、大きく減少していた外国人との婚姻件数が2022年以降再び増加し、2023年には前年と比べて約3万件増加した。
これは、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、外国人の韓国入国時の入国制限が緩和されたことが一因であるだろう。

また、1954年から1963年の第1次ベビーブームに生まれた世代の子どもたちがすべて30歳を超え、子どもを出産する年齢になったことも出生率が改善された一因として考えられる。
さらに、韓国政府の少子化対策、特に経済的支援やワーク・ライフ・バランスを支援する政策が出生率の改善に影響を与えた可能性がある。大統領が委員長を務める低出産・高齢社会委員会は、2024年6月19日に委員会を開催し「低出産傾向反転のための対策」という少子化対策を発表して以来、毎月関連する対策を発表している。
最近の代表的な対策を例として挙げると以下の通りである。