フランスの高級品ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの創業者ベルナール・アルノー氏の息子、アントワーヌ・アルノー氏は、仏サッカー2部リーグのパリFCを買収し、カタールが支援する1部リーグのパリ・サンジェルマンFCのライバルにする計画だ。

アントワーヌ・アルノー氏(左)とパリFCのピエール・フェラッチ会長

アルノー氏の計画は、財政難やメディアとの期待外れの放映権契約、絶え間ない内紛などで苦境下にある仏サッカー界において待望のタイミングとなる。

アルノー氏は20日の記者会見で「ブランドの一部としてパリの名を冠するパリFCのようなブランドを構築し発展させられる見込みがあることも非常に重要だ」と指摘。「これはわれわれがつかむ好機だ」と述べた。

1972年に創設されたパリFCは現在、2部リーグのトップ。アルノー家は持ち株会社アガッシュを通じた買収を実施し、パリFCの52%の株式を取得する。その後3年間で80%まで引き上げるという。

アルノー氏は、巨額の投資になるとしながらも、具体的な金額の公表は控えた。スポーツ紙レキップは今後数年間の投資額は1億-2億ユーロ(約161億-323億円)になると報じた。

LVMHはスポーツイベントに関連した投資を着実に深化させている。今夏にパリで開催された五輪・パラリンピックでは主要スポンサーだったほか、ルイ・ヴィトンは国際ヨットレース「アメリカズカップ」のスポンサーとなっている。

パリFCの株式取得を巡ってはアルノー家とともにレッドブルも出資する。レッドブルは今回の買収で11%の株式を取得した後、15%まで引き上げる。

原題:LVMH Scion Lays Out Plan to Bring Paris Football Club to the Top(抜粋)

--取材協力:Angelina Rascouet.

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