買収には三度挑戦した これから共に歩もう

ファンさん
「そうだ、マサさん…」「あなたは想像できますか…」「いまも私たちの大株主だったら!」

孫さん
「私たちは三度、トライしました」
「一度目は…何を話しましたっけ?10年前に私の家の庭で、プライベートの話…」

ファンさん
「何でもない、それは!では、マサさんがその時に言ったことを教えてあげましょう。いいですか」
「(孫さんは)ジェンスン、市場はエヌビディアの価値を理解してない。未来は素晴らしいが、市場はそれを理解していない。しばらく苦難は続くだろう。なぜなら、未来を発明しているからだ。(孫さんは)エヌビディアを買いたい(と打診してきた)。(笑いながら)受けなかったことを今少し後悔している」(と冗談交じりに)

ファンさん
「素晴らしいアイデアだったのに」

孫さん
「そうだったでしょう」「それは私がARMを手に入れる1か月後でした」

ファンさん
「私たちは2つの会社の統合について話した」

孫さん
「それは三回目ですね」
「一度目は合併について話し、二度目はただ株を買っただけです。三度目はマージンの問題でした...三回も試みた。オーマイゴッド」

ファンさん
「NVIDIAとソフトバンクが共に歩み、パートナーシップを築いていくんです。日本で何かを素晴らしいことができるのがとても嬉しい」

孫さん
「これはほんの始まりに過ぎません。私たちは一緒にたくさんのことを成し遂げるつもりです。業界はとても大きいし、モバイルやIoTがたくさんある。データセンターやゲームのことなど、たくさんのことができます」

ファンさん
「たくさんのコラボレーションを楽しみにしています」

対談を取材して

ファン氏がAIの進歩を「新しい産業革命」と表現するように、AIの波に対しては、「乗るか飲まれるか」の覚悟が企業、業界、政府などに求められており、もはや「挑戦しない選択肢はない」のだと強く感じさせるイベントだった。

対談はテンポよく進み、お互いが旧知の仲で、深く理解し尊敬し合う様子が窺い知れた。二人は時代を牽引するビジネスパートナーでありつつ、一つ話せば十を理解する友人でもある。ファン氏は「ロボット AI 革命をリードするのは日本がふさわしい」と期待をよせたのに対し、孫氏は「文化や習慣を理解し、人に寄り添うAI」ついて夢を馳せていた。果たして、二人の期待と夢が、日本の誇るアニメキャラクターのような(二人はよく日本のアニメを引き合いに出す)心温かいAIが誕生し、結実するのか。そのAIエージェントは私たちを幸せにしてくれるのか──AIの未来はどうなるのか。AIはあくまで「未来予測を手伝う」だけで、実際にどんな未来が待っているのか、見て、体験していくのは私たちだ。