所有者不明土地の大きさは九州に匹敵…

国土交通省によると所有者不明土地は国土の2割を占め、その大きさは九州に匹敵すると言われています。原因の66%は相続登記の未申請です。

1件あたり10万円から15万円が相場とされる登記費用や手続きの煩わしさ、相続人に不利益が少ないことが申請しない理由に挙げられ、中には相続人が数百人に上るケースもあると言います。

富山県司法書士会 三屋尚之会長:「何々左衛門とかですね、かなり前の2代3代前であるとかそういった方の名前のままで登記が残ってると。それを相続登記しようと思った時に(相続人が)数十名、何百名っていうケースもやっぱりあったりする。名義変更するのに非常に労を費やすと言いますか、かなり大変なことになりますね」

こうした所有者不明の土地を増やさないことを目的にした相続登記の義務化。合わせて、相続人が複数存在しても1人の申請で登記できる「申告登記」の制度も導入し、手続きの負担を減らします。

富山県司法書士会 三屋尚之会長:
「通常、相続登記をする場合は亡くなられた方の生まれてから亡くなられるまでの戸籍が必要だったりとか、相続人の皆さんの戸籍もすべて一式必要になるんですが、申告登記の制度を利用される場合は亡くなられた方と申し出される方の関係性さえ分かれば割と簡易な形で手続きが取れるかなと」

4か月後の制度開始を周知するため、富山地方法務局は1月20日、イオンモール高岡で相続登記に関する相談会を開きます。

今のうちから私たちがしておけばいいことはあるのでしょうか。

富山地方法務局 北濱基紀首席登記官
「2024年4月1日前に相続したものについても義務化の対象となりますので、相続した不動産があるかどうかについて心当たりがある場合には、事前に登記がされているかどうかご確認いただいた方がよろしいのかなと思います」