~検察側の被告人質問~

検察側「被害女性が結婚していることは知っていたか?」
被告「知っていました」
検察側「少なくとも男女関係における“好き”ということを言われたことや接触をされたことがあったか?」
被告「ないです」
検察側「2人きりでの夜勤だった、他の職員がいたらわいせつ行為はしなかった?」
被告「そうです」
検察側「2人での夜勤はこの日が初めて?」
被告「何回かあった」
検察側「この日はどうして事件に?」
被告「言葉よりも先に体が…」
検察側「太ももの上にまたがり、身動きのとれない女性のマスクをとったのはキスをしようと思ったから?」
被告「そうです」
検察側「女性が傷つくことを当時予想できなかった?」
被告「そうです、すみません」
検察側「こういったことを2度としないことをここで言えますか?」
被告「はい」

検察側「現在、在留期間が切れていますね?」
被告「そうです、このあとは国に帰りたい」
検察側「再び日本に来日することは?」
被告「今は考えていない」

~裁判官からの質問~

裁判官「女性は当時、どう思っていたと思うか?」
被告「私が相手の気持ちを分からなかった」
裁判官「嫌がっていないと思った?」
被告「そうです」
裁判官「どうしてですかね」
被告「…」

40分以上に及んだ被告人質問の間、被告は終始、聞き取れないほどのか細い声で質問に答えていました。

検察側は「2人のみの夜勤を狙い、女性が抵抗し逃げたにも関わらず犯行に及んだのは、きわめて執拗で卑劣なうえ悪質」と指摘。「女性は大きな精神被害を被った一方、被告は女性に何ら弁償していない。動機に酌量の余地はない」として懲役2年を求刑。弁護側は「被告に前科・前歴はなく、常習性は顕著とはいえない」とした上で、「反省を深めていて、女性に謝罪文を作成するなど、2度と行わないことを約束している」として寛大な判決を求めました。

被告はうつむきながらも、検察官らの話に時折うなずき、耳を傾けていました。最後に再び被告が証言台に立ち、裁判官から「最後に何か言いたいことはありますか?」と問われ、声を振り絞るように発した言葉はー

被告「事件で女性やいろんな方に対して失礼だし、不快なことをしてしまった。恐怖心を与えたこと、本当に最低なことをしてしまったこと、申し訳ありませんでした」

判決は9月28日に言い渡されます。