鳥たちを怯えさせてしまった「ドン花火」
続いてはー。

毎年、時の記念日に合わせて富山市の神通川河川敷で正午に打ち上げられる通称「ドン花火」。実はこれ、全国で唯一、富山市だけで打ち上げられているんです。

元々、1901年に時報として始まった「ドン花火」。当時は毎日正午に打ち上げられていました。ところが戦争が始まると火薬が必要となり、打ち上げは中止に。



戦後、市民の復活を望む声を受け1956年の時の記念日に再開され今年で68回目になります。

ドン花火の歴史に詳しい専門家に話を聞くと、興味深い事実が分かりました。
中川アナ:「この写真とだいぶ一致している場所ですね」
富山市郷土博物館 浦畑奈津子さん:
「このあたりが近いでしょうかね」


なんと昭和初期のドン花火は城址公園で打ち上げられていたというのです。

中川アナ:「なんでこの場所で、時の記念日のドン花火を打ち上げることになったのでしょうか?」
富山市郷土博物館 浦畑奈津子さん:
「当時、富山の中心部の公園ということもあって、時の記念日自体が、時間を大事にしましょうという啓発の意味で決められた日なので。よりたくさんの人に聞こえる場所だったということはあるかもしれないです」


それではなぜ今の神通川河川敷に変わったのでしょうか。

富山市郷土博物館 浦畑奈津子さん:
「今はないですが、城址公園の松川沿いのエリアに昔は鳥類園。動物園の鳥だけバージョンみたいなのがあったんですが。その鳥たちにこの花火の音ですごく驚かせてしまうと。怯えさせてしまうということが理由で神通河原に移ったと」


鳥の暮らしを脅かしたくないという優しい思いから今の場所に変わったそうです。

富山市郷土博物館 浦畑奈津子さん:
「当時は富山の人も時間にはルーズだったといいますか。のんびりしていたようで。啓発の意味でも時の記念日にいろんなイベントが行われたらしい」

富山市の初夏の風物詩として現代に受け継がれているドン花火。ことしも明日の正午に神通川河川敷で打ち上げられます。










