“犯行直後の記憶がない”と筆談で答える…

事件があったのは2021年11月、マッチに火をつけて富山県高岡市にある自宅を放火し、隣接する住宅2棟も延焼させた現住建造物等放火の罪に問われています。

富山地検は越前被告について3か月あまりにわたって精神鑑定を行い、刑事責任能力があると判断し、起訴していました。

弁護人:「あなたにとっては犬が心の支え、安定剤だった?」

越前被告の筆談:「はい」

事件の1か月前、越前被告の唯一の心の拠り所だった愛犬「ハグ」が死にました。

越前被告は、新しい犬を買ってほしいと両親に頼みますが、近所の人に反対されたことで、ストレスが限界に達したといいます。

弁護人:「あなたがストレスがたまったりイライラするのはどんな時ですか?」

越前被告の筆談:「自分の言いたいことが相手にうまく伝わらない。分かってもらえない時」

弁護人:「なぜマッチを投げたのか説明できますか?」
越前被告の筆談:「新しい犬を飼うことに対して近所の人が反対して頭の中からダメダメが離れなくなった」

越前被告は“犯行直後の記憶がない”と筆談で答えましたが、火のついた自宅から近所の人に助け出された際に、「死にたい」「犬のところに行きたい」などと、手のひらに書いていました。

これについて弁護人が聞くと…。

越前被告の筆談:「家が燃えて大変なことになったから」