富山県内で今年4月から8月までのクマの出没件数が過去最多の261件に上るなか、県はドングリ類の実り具合の調査結果に基づき、「今年の秋は平野部での大量出没の可能性は低い」との予測を発表しました。しかし、出没が相次ぐ現場からは困惑の声が上がっています。

富山県や市町村の担当者が集まった県の「野生動物被害防止対策会議」で、クマのえさとなるドングリ類のことしの実り具合の調査結果が報告されました。

県の調査結果によりますと、奥山に生育するブナとミズナラのうち、ブナは「豊作」、ミズナラは「並作(なみさく)」。また、里山に生育するコナラは「並作」となっています。

県は、過去のドングリ類の実り具合とクマの出没状況の分析から、ことしの秋は「クマの平野部での大量出没の可能性は低い」と予測しました。

この結果については、市町村の担当者からは予測と現場の感覚との違いを指摘する声があがりました。

立山町の担当者
「春から7月まででかなり捕獲しているんですよね。例年にない状態なんですよね。少ないっていう肌感覚は立山町の中ではないんですけれども。(大量出没の)可能性が低いと言い切られると私たちの注意喚起が薄くなってしまうんかな」

富山県自然保護課 朝山弘康課長
「(クマの)生息域って広がっているんではかと思っています。ですので、この秋も大量に出るとかではないですが、変わった動きをするクマはたぶん出てくるかもしれませんので、その点は十分にご理解いただければと思っています」

ことし4月から8月までのクマの出没件数は、過去最多の261件にのぼっていて、県は、河川敷近くや山すそで実ったままのカキがある民家の周辺ではクマの出没に警戒するよう呼びかけています。

またブナなどは「豊作」の次の年は「凶作・不作」となる可能性が高く、県は不用なカキの伐採など来年に向けた対策を今から進めてほしいとしています。

富山県自然保護課 朝山弘康課長
「来年は昨年と同じようなクマの大量出没が予想されますので、クマは災害対策ととらえていただいて『必ずやってくるんだ』という点でみなさんでクマの被害防止対策を行っていただきたい」