学校や家庭に居場所がない若者にぬくもりを
犯罪社会学が専門で、若者の犯罪心理について研究している筑波大学の土井隆義教授は、薬物に手を染める若者について次のように語ります。
筑波大学 土井隆義教授
「人間の関係がうまくいかない。居場所がない。という人は、まずはネットでお互い繋がり合う。ネット上で繋がってるだけでは、まだそこでは情報は交換できるけど、肌のぬくもりはないのであつまってきて、目立つのは自傷行為ですね。その中にやっぱり大麻のような薬物も、自然と入ってくる」

土井教授によりますと、若者の違法薬物の入り口は人間関係の不安からというケースが多く居場所を無くした若者たちが安心して過ごせる場所への支援が必要だと訴えます。
筑波大学 土井隆義教授
「学校の中に居場所がない。家庭にも居場所がないっていう若者たちにじゃあどうやって場所を提供できるかということですよね。シェルターを作ったりとか、あるいは相談場所を作ったりとか、そういうところをもっと拡充していくってことだと思います」
薬物施用の若年化は全国でも進んでいます。これは厚生労働省が発表した2012年から2021年までの大麻事件の摘発人数の推移です。
20歳未満の摘発は、8年連続で増加していて2021年に初めて1000人を記録。2012年と比較すると20歳未満の摘発はおよそ15倍となっています。
今回の取材で人間関係の悩みから薬物に手を染めるケースが多いとわかりました。
そうした若者の悩みに寄り添い解決する環境を社会全体で整えることが大切だと思いました。