一般の人の中で感染は起きている状況…

検査は血液検査が一般的で、保健所で無料で受けることができます。梅毒に感染した場合は、筋肉注射やペニシリンという抗生物質で治療を行います。4週間はしっかり飲むことが必要です。

女性クリニック We!Toyama 鮫島梓医師:
「梅毒の原因となる細菌は、非常にゆっくり増殖する菌で、薬は菌が増殖するときに作用することが分かっていて、一定の期間、薬を飲み続けないといけません。自己判断で薬を飲むのをやめず、最後まで飲みきってほしいです」

感染症の中には、一度感染すると免疫がつき、その後は感染しなかったり、感染しにくくなったりするとされる病気もありますが、梅毒は、複数回感染することがあると指摘しています。

感染予防としては性行為の際にコンドームを正しく使用することや不特定多数との性交渉を避けることが基本ですが、鮫島医師は性感染症から身を守るためには正しい知識を身につけることが大事だと話します。

女性クリニック We!Toyama 鮫島梓医師:
「日本ではほとんどの人が、性教育を人生において1回、2回しか受けていないと思います。性の知識をきちんと身につけることで、望まぬ妊娠や性感染症を防ぐことができるので幼いときから継続的に行っていくっていうのは、一つ必要なことかなとは思います。それと、ヨーロッパとかだと新しいパートナーと付き合うときにはお互い検査する人が多いんです。最近は日本もブライダルチェックなど、結婚するときに検査する方も増えていますが、結婚だけではなくて、新しいパートナーと付き合うときに検査するという習慣があれば、安心度が高まるのではないかと思います。富山県内でみても、本当に一般の方の中で感染が起きているような状況なので、誰にでも起こること、感染のリスクは身近になっているという意識をもつことが大事だと思います」

江戸時代に“不治の病”とされた梅毒は決して過去の病気ではありません。現代医療においても放置すれば死にいたる可能性もある病気なのです。

人との出会いや恋愛の形が多様化する中で、自分は大丈夫と決して過信せずに性感染症対策をしていく必要があります。