兵庫県西宮市にある公立高校の男性教諭が、同僚によるパワハラを繰り返し訴えたにもかかわらず、調査をしなかったなどとして、校長を刑事告訴しました。

 (男性教諭)「昼もほとんど、昼休みを取らずに授業準備に追われているような感じでした。時間割の持ち方を見れば、少なくともこの学校においておかしいというのはわかるはずなのに」

 刑事告訴をしたのは、西宮市にある公立高校の男性教諭(40代)です。告訴状などによりますと、男性教諭は2021年4月以降、教科主任を務める教諭から、過大な業務量を割り振られるパワーハラスメントを受けたため、当時は教頭だった校長に対し職場環境の改善とハラスメント被害を訴えましたが、応じてもらえなかったということです。

 男性教諭の残業時間は80時間を超える月が続き、2021年10月に「うつ病」を発症したため、その後休職しています。

 男性教諭は、休職後も教科主任の行為はパワハラに当たるとして、校長に何度も調査を求めましたが、校長は証拠がないなどとして応じなかったということです。さらに…

 (校長)「ほかの職を探すっていうふうなところはあると思うんですけど。ほかの学校とか、塾とか」

 校長は男性教諭に対し転職や退職を勧めたといいます。

 (男性教諭)「体も心も人生も生活も、全部ボロボロにされているので。全く許せないですよね。生徒も保護者も最高なんです。学校で教室にいて、幸せな気持ちになったことしかなくて。だから戻りたかった」

 男性教諭は、校長がハラスメント調査などを行う義務を果たさないのは職権の濫用で、復職する権利を妨害されたなどとして、校長を公務員職権濫用の疑いで刑事告訴し、受理されました。

 校長は、「告訴状を見ていないので今は何もお答えできない」とコメントしています。