市民は排除を無視していなかった

映画のテーマである、ヤジ排除問題。この問題を取り上げる上で欠かせなかったのは市民の存在です。

ヤジと民主主義・山﨑裕侍監督:「警察は周りにいたメディアのことを無視して、ああいう排除行為をしたんですけれど、僕らは、本人も含めて周りにいた人たちが映像をちゃんと残していたからこそ、この事実が明らかになった。つまり、周りにいた人はあの排除を無視していなかったんです。それが市民の力というか…」

市民が撮影した動画から始まった、継続取材。テレビ番組の枠を超えて、映画を作った理由とは。

ヤジと民主主義・山﨑裕侍監督:「テレビ番組で短いニュースだと、編集しますよね。ヤジで排除された場面も、ものの10秒ほどしか見せられない。そうすると、『変わった人が警察に排除された』といった伝わり方をしてしまう。けれど、映画のようにノーカットで見せることで、彼が何をしようとしたのか、警察の行動のおかしさというものが分かる。また今回、大杉さんや桃井さんという排除された人が、一体どんな思いでヤジを飛ばしたのか、どんな生き方をしてきたのか、ヤジを飛ばす前の物語を手厚くしたんです。テレビ番組で伝えることのできなかった部分を映画で表現できたと思います」

嘉藤奈緒子アナウンサー:「全国でも話題となっている今回の作品、いよいよあす公開です。見られた方に何を一番伝えたいですか?」

ヤジと民主主義・山﨑裕侍監督:「ヤジという一見すると小さな権利が奪われた出来事かもしれませんけれども、これが誰かに起きた遠い出来事だと思っていると、いつのまにか自分の大事な権利も奪われてしまうことにつながる恐れがあります。ここで起きたことが、いつか自分の身にも起きる可能性があるという風に感じてもらえれば」

映画『ヤジと民主主義』は富山市総曲輪のほとり座であすから来月8日まで上映。
あすの上映後は、山崎監督の舞台挨拶も行われます。

■舞台挨拶情報■
場所:ほとり座(富山市総曲輪3-3-16 ウィズビル5F)

〔スケジュール〕
10:00~  上映
11:45頃〜 舞台挨拶(10分程度)
12:00頃~ ティーチイン
※3階市民プラザ会議室にて開催(40分程度)

〔登壇予定者〕
・山﨑 裕侍(監督)
・MC:嘉藤 奈緒子(チューリップテレビアナウンサー)