選挙演説中に「ヤジ」を飛ばした市民が、警察官に排除された問題から"表現の自由"について考える話題のドキュメンタリー映画が、あすから富山市で上映されます。監督に作品の見どころを聞きました。
嘉藤奈緒子アナウンサー:「富山市のミニシアター・ほとり座では、ドキュメンタリー映画『ヤジと民主主義』が、あすから公開されます」

市民:「安倍やめろ!安倍やめろ!」「これが民主主義か!?」

JNN系列HBCが製作した「ヤジと民主主義劇場拡大版」。
この映画は、2019年7月、参議院選挙期間中の札幌で、自民党候補の応援演説をしていた当時の安倍総理にヤジを飛ばした市民が警察に排除されたほか、年金政策に批判的なプラカードを掲げようとした女性が、「道路に出たら危ない」などの理由で、その場から移動させられた問題を4年間にわたって追ったものです。


映画では、ヤジを飛ばした人たちの背景やその思いを取材するとともに、「迷惑だ」といって異質なものを排除する社会の風潮も描かれています。
監督を務めるのは、HBC北海道放送で数々のドキュメンタリーを制作してきた山﨑裕侍さんです。

嘉藤奈緒子アナウンサー:「映画は、ヤジを飛ばした男女2人が軸となって進んでいきますが、2人は、人としての存在そのものを否定するわけではなく政権・政策への反対意見を述べていただけ。しかし、恐ろしいほど無理やりその場から排除されました。このようなことは、どうして起こってしまったのでしょうか」
ヤジと民主主義・山﨑裕侍監督:「警察の説明は、『危険が及びそうだ』とか『犯罪を未然に防止した』といった説明をしているんですけれど、やはり札幌地裁の判決で言及されているように、安倍総理の演説会場で、安倍総理にヤジを聞かせたくなかった、要するに時の権力者に忖度したのではないか。それ以外に考えられないと思いますね」
