横澤さんはこの治療の最初の治験患者でした。
治療後すぐに血圧は正常範囲で安定し、子どもたちとも元気に遊べるようになりました。

横澤行夫さん:
「今朝測ったんですけど、上が114で下が65。考えられない。自分がそういう血圧の状況になったんだと」


この新しい治療法、使うのは直径1.8ミリの針です。
先端に流れる特殊な電流で副腎の腫瘍を焼き切ります。

東北大学病院・放射線診断科 高瀬圭教授:
「腎臓がここにあるので、背中から針を刺していって骨や腸を避けながら(副腎の腫瘍に)ピンポイントで刺すことができる。焼き切ってしまうことができる。従来は手術しか方法がなかったこの疾患の治療法を、針穴で体に優しく直せるようになる」


従来は副腎の腫瘍を腹腔鏡手術で摘出していましたが、全身麻酔で行われる手術は
体への負担も少なくありませんでした。
横澤さんら46人に対して行なった治験で効果や安全性が認められ、
2021年6月に保険適用が決まりました。

名古屋市に住む大原章さん。保険適用となって一例目の患者となりました。

東北大学病院・放射線診断科 高瀬圭教授:
「この丸いものが副腎の腫瘍です。あばら骨の間を通って副腎の腫瘍に針を刺して、ここから電流を通して焼け焦げにしてしまう」


大原章さん(患者):
「外科的手術をしないで済むというのが一番大きいと思う。焼灼でよくなれば薬を飲むこともなくなる」


東北大学病院・放射線診断科 高瀬圭教授:
「きちんと焼灼をして、なるべく1回で大原さんのアルドステロンの値を正常化するように頑張りますのでよろしくお願いします」