マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」に関するトラブルが長野県を含む全国で相次ぐ中、県保険医協会は、現在の健康保険証を存続させるべきとの考えを示しました。
県保険医協会は、5月から6月にかけて、会員の医療機関を対象に、マイナ保険証のシステムについて調査を行いました。
その結果、回答した121施設のうち、67%でなんらかのトラブルがあり、その4割近くで保険者の情報が正しく反映されないことがあったということです。
また、顔認証システムでは「本人でなくても認証できてしまった」という報告もありました。
協会は、この結果を受けて26日に県庁で会見し、政府が進める健康保険証とマイナンバーカードの一本化を先送りし、現在の健康保険証を存続させるべきとの考えを示しました。
■県保険医協会 宮沢裕夫(みやざわ・ひろお)会長
「高齢の患者は操作が煩雑でうまくいかずに窓口業務が円滑に進まないなど患者から苦情を言われたという訴えもある」
患者の保険資格が正しく表示されず、患者が診療費の全額を負担したケースもあり、医療機関からはシステムの導入の義務化を疑問視する回答もあったということです。