そんな伊藤さんのもとにはなじみの客が次から次へと訪れます。
常連客・内山尚俊(うちやま・ひさとし)さん:
「高校卒業してからのお付き合い…お付き合いっていうか、担当さんで。本当に店の顔になって、こっちもいつも来ても楽しみで、いないときはちょっと寂しいようなもので」
予定の合間を縫って駆け付けた常連の男性も最後の買い物です。
常連客 内山さんと伊藤さん:
「でもなんか、最後っていう感じがしないですよね」
「またね、また来週ねってわけじゃないもんな。それがないんだもんな…」
「ありがとうございました」
「うん、がんばってな」

伊藤さんはこぼれそうな涙をおさえ笑顔で見送りました。
刻一刻と最後の時が近づく中、店内は学校や仕事終わりに訪れる人で最後の賑わいを見せます。
「きょうもう、来ないって言っていただじゃないですか…」
「お疲れ。長い間ありがとうございました」

涙と感謝にあふれた、1日です。
そして、午後8時。
伊藤さん:
「ありがとうございます!あ~せかせかしていたら終わっちゃった」
最後の客を見送って無事、営業を終えました。
「おつかれさまでした~」
伊藤季巳可さん:
「幸せでした。本当にこの14年間がすべて財産になったので、私の。すごく億万長者だと思うんですよ。なので、この大金を握りしめて次の新しいことにチャレンジしたいと思っています」
オープンから40年、多くの人の思い出を紡いできた松本パルコ。
惜しまれながらその役割を終えました。