全米最大の都市、ニューヨークの市長選挙があす4日行われます。激戦の先頭を走っているのは、34歳でイスラム教徒のマムダニ氏です。この異色の候補、どんな選挙戦を展開しているのでしょうか?

選挙戦終盤の先週木曜日。

記者
「まもなく午前0時ですが、駅前に多くの報道陣が集まってきました」

そこに現れたのは、マムダニ候補(34)です。

マムダニ候補
「夜勤後の看護師や病院を訪ねたりして、夜間に働く人々を取り残さないような市長になりたいのです」

深夜に働く人々との連帯を示そうと、異例の真夜中の会見を開いたのです。

マムダニ氏の支持者
「ニューヨーカーの日々の暮らしに焦点を当てているところが好きです。だってここは『眠らない街』ですから」

マムダニ氏は34歳でインド系の両親を持つイスラム教徒です。1年前は全く無名の候補でしたが…

マムダニ候補
「次期ニューヨーク市長として、家賃を凍結します」

寒中水泳大会では、凍えそうな海にスーツ姿で入りびしょ濡れに。看板政策である「家賃の凍結」を訴えた動画はSNS上で、累計100万回以上再生されました。

ラッパーとしての経歴も持つマムダニ氏ですが、SNSや草の根運動で若者や幅広い人種に支持を訴え一躍、民主党候補の座を射止めました。

当選すれば、初のイスラム教徒の市長となりますが異色の候補は一体なぜ、高い支持を得ているのでしょうか?

市民
「食料品3つで5、60ドル(約9000円)もする。インフレがすごくて、今は何もかも高すぎます」
「この街をみんながもう少し手の届く住みやすい場所にしてほしいです」

全米の中でも、物価上昇がとりわけ激しいニューヨーク。特に家賃が高騰し、暮らしがままならない人が続出しています。

マムダニ候補
「私たちは生活をより良くする市政を求められるんです。億万長者たちに、この街はあなただけのものではないと伝えられるんです」

マムダニ氏は自らを「民主社会主義者」と位置づけ、「バス運賃や保育の無償化」「一部の家賃の凍結」を提唱しています。

1兆5000億円あまりの財源は、富裕層や大企業への課税などで賄うとしていて、既存の政治に不信を持つ層から期待を集めています。

市民
「これまでと違う新しい人が必要なんだ。彼の話は皆をひきつけるんだ」

対抗馬は大企業などから献金を集めるクオモ前ニューヨーク州知事。マムダニ氏の政策は財源の当てがなく実現不可能だと主張し、終盤で猛追しています。

さらに、経済や移民政策をめぐってマムダニ氏に批判されてきたこの人は…

トランプ大統領
「マムダニは共産主義者だ。下劣で卑怯だ。国の税金を無駄遣いするような人物を当選させてはいけない」

マムダニ氏を厳しく攻撃、連邦資金の凍結も示唆しました。

激しい攻撃にさらされているマムダニ氏。果たして、市長になる覚悟はできているのか聞いてみると…

マムダニ候補
「(Q.市長になったら最初に取り組むことは?)まずは火曜日の選挙に勝たないとね!」

異色の候補はニューヨーク市民の暮らしを変えることができるのでしょうか?