松本市の中心部で40年余りにわたって営業を続けてきた松本パルコが、2月28日に閉店しました。
そこに集う客やスタッフそれぞれが特別な思いで最終日を迎えていました。


長い行列ができた最終日。

上條雄嗣(かみじょう・ゆうじ)さん:
「近くで勤務しているので、1時間の時間休ということで来てます。サボってません。高校の頃は授業をサボってきていましたけど」

仕事の合間に駆け付けたという上條雄嗣さん54歳。

松本パルコには人一倍、強い思い入れがありました。

松本市内の高校に通っていた上條さん。

(クローゼット開ける)
「社会人になってスーツを買ったときの袋なんで25年ほど前の袋です」

クローゼットにはいまも、パルコで買った思い出の品をとってあります。

上條さん:
「このジャケットはPARCOで買ってもらった一番最初の服ですね」

中学2年生の時に松本パルコがオープンし、高校の合格祝いのジャケットが、最初の思い出です。


上條さん:
「青春のスタートがパルコの開店と同じタイミングで、当時リュックを背負って高校に通っていたから肩がすごく擦れていますよね」

ほかにも…

上條さん:
「これは買ったときの記憶は鮮明には残っていませんが、高校2年生の集合写真にこれを着て写っていました」

7つ上の姉の影響で、オシャレに興味を持った上條さん。

流行の最先端に触れられるパルコでの買い物は、“大人の階段を昇るような瞬間”だったといいます。

上條さん:
「高校生の頃は、学校や部活で縛られた空間だったという思いがありましたが、パルコに行くとある意味、自由という思いがあったので、青春の1ページとして思い出深いなっていう」

閉店の30分前、仕事を終えた上條さんはその瞬間を目に焼き付けようと再びパルコに足を運びました。

上條さん:
「このジャケットを着るなんて何十年ぶりですが、青春時代を思い出します」

一方、これまでパルコで働いてきたスタッフにとっても特別な「最後の1日」でした。