新型コロナの感染者数が高止まりする中で注目が集まる国産ワクチン。
その開発を手掛ける熊本市のKMバイオロジクスの永里社長に今後の展望について聞きました。
新型コロナワクチンの開発を進めるKMバイオロジクス。
永里社長が開口一番に語ったのは…
KMバイオロジクス 永里敏秋 社長
「順調に臨床の方は進んでいるのでご安心ください」

山場は越えた、という永里社長。ただ、ここまで来るのには紆余曲折が。当初計画では特例的な国の緊急承認制度を使って去年2022年9月には、国に申請する予定でしたが、すでにファイザーやモデルナのワクチンがある中で制度の適用対象とならなかったのです。

永里 社長
「何のための制度だったのかですね。残念ですけどね。結局、緊急承認制度を使える会社は国産ワクチンメーカー1つもないということです」

会社一丸となって取り組んできただけにそのショックは大きく・・
永里 社長
「この申請するまで『一滴も酒を飲まない』と断酒してやって参りました。私の気持ちは非常に落ち込んで…」

「一日でも早く」その思いに揺るぎはありません。
国へのワクチンの承認申請は今年2023年5月~6月頃になる見込みだといいます。

永里 社長
「もうあとちょっとというところまできていますので、来年(今年2023年)の春には間違いなく申請していきたいなと思っています」

一方で、現在国内で流行しているオミクロン株に対応したワクチン接種まで終えた人は熊本県内でおよそ37%。

永里社長は、接種率が上がらない理由のひとつとして、副反応への抵抗感があるのではと分析します。
永里 社長
「特に小児の接種率というのは20%くらいでほとんど進まないという状況ですので、いかに小児をお持ちの親御さんがmーRNAを打ちたくないっていうかですね。そういう方々が多いのかなと」

KMバイオロジクスが開発をすすめているのは、副反応が少ないと言われる「不活化ワクチン」。接種率の向上につながればと期待を込めます。

永里 社長
「接種できない人々に選択肢を広げてあげるというのが重要なのかな。そういう市場に入っていけば、そういう人が接種してくれれば感染拡大を防御する一つの手立てになってくれるというふうに捉えています」
